顎関節症の原因
顎関節症になる原因は様々のものがあります。
大きく分けて下記の様な原因が考えられます。
1. ブラキシズム(歯ぎしり、くいしばり)
ブラキシズムとは、歯をギリギリときしませる「歯ぎしり」や、
上下の歯をぐっと噛み締める「くいしばり」などの事を言います。
歯ぎしりは、隣で寝ている人に指摘されて初めて気付いたり、
くいしばりは、肉体労働時だけでなく、
デスクワークなど仕事に集中している時にも
無意識に行っていることが多いのが特徴です。
これらは、本人が自覚しないまましている事がほとんどです。
こうした歯ぎしりやくいしばりによって、
物を噛むときに使う咀嚼筋が緊張しすぎてしまい、
顎関節に過度な負担をかけるために症状が出てきてしまいます。
2. ストレス
ストレスも顎関節症には関わってきます。
仕事がうまくいかない、
家庭内がギクシャクしている、
経済的な悩み、
人間関係
などなど、様々なストレスがあると
その結果、無意識のうちに「くいしばり」をしたり、
睡眠障害を引き起こし夜間の歯ぎしりを悪化させてしまったりすることで、
咀嚼筋に過度な負担がかかり症状が出てきてしまいます。
※受験生のお子さんが受験のストレスから顎関節症になる事も多いです。
3.姿勢
顎関節と姿勢には大きな関係があります。
例えば、最近の現代人に多いパソコンを使うときの姿勢は、
ディスプレイを見るために顔を前に突き出し、
キーボードを打つために肩が前に入り背中が丸くなっていることがほとんどです。
いわゆる猫背です。
この姿勢が長く続くと、
首の前の筋肉が緊張してきます。
そうすると、首の前の筋肉には口を開けるときに使う筋肉があるため
口が開けにくくなるので、顎関節の動きが悪くなってしまい症状が出てきます。
試しに、
わざと猫背になって顔を前に突き出して下を向いてから
口を大きく開けてみて下さい。
この時の開けやすさを覚えていて下さいね。
次に、猫背と顔を戻して、上を向いてから口を大きく開けてみて下さい。
どっちが開けやすかったですか?
ほとんどの方が、上を向いた時の方が開けやすかったですよね!
このように、猫背で顔を前に突き出してしまっている姿勢の方が、
顎関節がうまく働きにくくなり、大きく負担がかかってしまいます。
姿勢を矯正する事は、顎関節症を考える上でとても大切なことなんです。
こうした体のメカニズムを考慮したうえで、
当院では、顎関節だけではなく、
姿勢の矯正もして色んな角度から
顎関節症にアプローチしていきます。
その他にも顎関節に負担のかかる姿勢を書いておきますね。
・頬杖をつく
・うつぶせで長時間寝る
・あごの下に電話をはさむ
などの姿勢も顎関節に負担がかかりやすくなりますので
気をつけて下さいね。
4.編咀嚼(へんそしゃく)
編咀嚼とは、いつも片側の歯だけで物を噛むということです。
また、それが癖になっている事も多くあります。
長い間、片側ばかりで噛んでいると、
片側の咀嚼筋ばかり使ってしまうので、
筋肉が緊張し、結果顎関節に過度な負担がかかり症状が出てきます。
5.悪い噛みあわせ
噛みあわせについては様々な議論があり、以前は顎関節症の主流と考えられていた噛みあわせは、
現在では多くの原因の中の一つとして考えられているようです。
虫歯の治療をせずにいたり、入れ歯があわないのに治療せずにいたりすることなどから、
編咀嚼やブラキシズム(歯ぎしり・くいしばり)の原因と関連していると言われています。